スペインの首都マドリッドより日帰りで行ける町を紹介します。
カスティーリャ・ラ・マンチャ州にあるクエンカ。この町には世界遺産の見所と圧倒させられる景色が待っています。
前回“ラ・マンチャの風車の村へ”の回で紹介したように、風車がある村からクエンカに向かうのならタクシーなど車での乗り入れがおすすめと書きましたが、マドリッドからは直接列車で向かうことができます。
最短の列車なら約50分ほど。AVEやALVIAなどの高速列車ならCUENCA FERNANDO ZOBEL駅に到着し、REGIONALの近郊列車はCUENCA駅に到着しますが、それぞれ同じMADRID ATOCHA駅を出発します。
乗る列車の種類によって、かかる時間や到着する駅が異なるのでご注意ください!あらかじめ時刻表と駅を確認しておきましょう。
魔法にかけられた町クエンカ
崖の上の摩天楼、クエンカの要塞都市。なぜこんな場所に町が作られたのでしょう。
崖の下を流れるフカル川は地中海まで流れています。この川の源流から約40キロの場所にあるクエンカの町は、川が石灰岩の台地を削ってつくりだした大渓谷の上にあるのです。
高層住宅が崖からはみ出して建っており、その境目はわからないほど。
崖のスレスレに建つ住宅の内部には、岩がむき出しのまま室内に残っており、1階の部屋の窓からの景色にもかかわらず、高所からの絶景をのぞむことができます。
背の高いカラフルの建物など、ほとんどが5階か6階建てのアパート。土地がないため上に伸びるしかなかったのですね。
旧市街は崖の上にあるため坂がとても多く、町中は階段だらけで迷路のようです。
魔法にかけられた町に迷い込んだら素敵な絶景が待っていますよ!
断崖の町をつなぐサンパブロ橋
かつては石造りだったサンパブロ橋。足がすくみそうになる程の高さ、絶景です!
以前は、町の外に出るには2つの橋しかなかったそうですよ。
旧市街の中心にそびえるクエンカ大聖堂
13世紀ごろに建てられた大聖堂ですが、ファサードは20世紀に入って再建されただけあって新しいです。
スペイン特有の真っ青な青空の下見ることができたら、ファサードに空いたアーチの窓の向こう側にも青、美しいですね。
世界遺産登録されている宙吊りの家
旧市街の中心、マヨール広場に建つカテドラルに向かって右側の道の急坂で、そこからこの宙吊りの家に続いています。
マヨール広場までは、新市街にあるCUENCA駅から市バスに乗って行くことができます。マヨール広場にある市庁舎の隣にはインフォメーションがあるので、すぐにクエンカの地図が手に入れらるのが便利ですね。
この崖のギリギリの場所に建ち、崖からはみ出したバルコニーの建物は、14世紀には王家の別荘として、18世紀の中頃までは市庁舎として使われていた建物なんです
現在はスペイン抽象美術館として、20世紀後半のスペイン現代画家作品を見ることができます。
また、建物の一部はレストランになっており、窓からの外の景色を眺めながらカスティーリャ料理を味わうことができます。
2つの渓谷に挟まれたクエンカの町、マドリッドを拠点に観光される際に日帰りしてみてはいかがでしょう?
イスラム教徒に支配されていた時代より、天然の要塞としてこんな断崖につくられた町です。とても魅力的に思えるのは私だけでしょうかね。