今回も、一昔前の上海留学時代に起こったお話です。
それも「これまで海外でこんなに慌てたことあっただろうか?」というような出来事です。
1年間過ごした寮の部屋から見える景色
さて、学校に到着してすぐに、同じ敷地内にある上海外国語大学の迎賓館、通称“上外迎賓館”に向かいました。そう、寮とは言っても普通のホテルだったのです。
自身の大学からは「日本人以外の外国人とルームシェアせよ」とのお達しがありました。そのため、普通のホテルのツインの作りに、少しだけ立派な学習机が2つ加えられた部屋で1年間過ごすことになりました。
割り当てられた部屋は10階。確か16階まであったと思います。
割と高層階だったので、遠くの方に上海のランドマークであるテレビ塔、東方明珠電視塔が見えました。
まだこの頃は天気のいい日はたまに青空が見えていましたが、スモッグがひどい日もありました。現在の様子はどうなんでしょうね。
これは、この“上外迎賓館”に住む他の留学生も経験があるかもしれません…。
留学生活が始まってどれほど時間が経ったか定かではありませんが、生活圏内ならだいたいのことはわかる程度に慣れた頃のこと。
中国語にしてもそれほど流暢には話せてはおらず、相手の言うことが少し分かるのと、言いたいことを少しなら話せる程度のレベルだったと思います。
タクシーでちょっぴりパニック!!
その日は、とある上海市内の中心部から、タクシーで寮へ戻ろうとしていました。
大陸でタクシーに乗るときは、目的地とその場所を通る通りの名前を伝えます。
通りは延々続くので、目的地が面する通りを2つ伝えるか、1つの通りにしか面していなくても、そばにある交差点を通るもう1つの通りの名前を伝えると確実に目的地にたどり着けます。
京都でタクシーに乗るときに似ていますね。◯◯通りから、◯◯通り下がるとか。
なのでこの日も、目的地と通りの名前を2つ伝えた、つもりでした。途中ルートが正しいかどうか、景色を確認するのが習慣になっていて、寮の近くまできたところまでは確認できていました。
あと少しだ、と同乗したルームメイトとおしゃべりをしていました。ところがその数分後、着いたよと言われ外に目を向けるとそこは見たこともないホテルの正面入口でした。
ルームメイトと顔を見合わせて、えーっ!?
すぐに運転手さんに「上海外国語大学の中にあるホテルだ」と伝えると、すぐに合点がいったようでホッとしました。
そのあとはすぐに、目的地の“上外迎賓館”に到着しました。
後になって、一体どこに連れて行かれたのだろうと調べたら、私たちの寮兼ホテルの目と鼻の先、車で約5分以内の場所に“上外賓館”という一文字違いのホテルが!!
紛らわしいことこの上ない!そりゃ名前を聞き間違えても仕方がありません。通りの名前を二つ伝えておいても、タクシー運転手の先入観から間違えてもおかしくないわけです。
この時以来タクシーに乗るときは、ホテル名と近くの通りの名前2つに加えて、更に通るルートと大学の名前を出すよう心がけたお陰か、こんなことは二度となかった。
その土地の言葉が話せなかったら、きっと軽くパニックになるような出来事でした。
しばらく続編が続きます!