さてさて、上海留学時代の思い出をまた1つつづります。まだ娘と呼んでも差し支えない時代のお話なので遠い記憶を探りながらですが。
1年間ほど上海で過ごしたなかで、今回は黄山という山に登った時の旅のお話です。黄山とは中国は安徽省にある景勝地の1つです。
夜行列車で向かう長旅
上海駅を出発してから約10時間かけて、黄山駅へと向かいました。
ちょっとわかりづらいですが、この写真は、寝台列車のベッドが4つ並んでいるコンパートメントなんです。
10時間も暇なのでこんな写真を撮ってみたりと、女4人の長旅はここから始まりました。
意外と近代的で新しい黄山駅
入山するのに最も近い駅なので、もっとこじんまりとした無人駅のようなイメージをしていたのですが、結構立派な駅舎でした。
到着した時は降っていなかったけれど、天気はあいにくの雨。小雨がぱらつくお天気でした。
この時私たちは上海で現地発着ツアーのようなものに参加していたため、駅から登山道の入口へは向かわずに少しだけバスでズルをしました。
と言っても多分1合目あたりくらいだったと思います。その後の過酷な山登りから考えるとですが。
4色のレインコート娘が行く!
山の天候はよく変わるのだろうと、私は4色おそろいのレインコートを購入して、列車の中で色を選んでもらいました。
登り始めて早々にまた雨がぱらつき始めたので、それぞれ選んだ色のレインコートをいざ羽織ろうと広げたところ・・・
何かがおかしい!普通のレインコートの裾の形をしておらず、前が長いではありませんか!!
なんのことはない、間違って、自転車かバイク用のレインコートを買ってしまっていたのです。
前がなぜ長いかというと、長い部分をそのまま前かごまで垂らしてかごの荷物を濡らさないよう考えられたアイディア商品だからです。さすが自転車・バイク大国、中国ならではの商品を手にした瞬間でした。
なので前の裾が長いレインコートを着ている私たちは、カラフルな鳥のようないでたちで山登りをしたのでした。
最初の展望スポットは大混雑
登り始めて段々標高が上がってきたな感じ始めた頃、ちょうど見晴らしの良いと思われる最初の展望台にたどり着きました。
しかし写真の通り大混雑!見晴らしも何も人の頭ばかり。
1番最初の展望スポットだったために誰も立ち寄っていたようで、景色より人混みの記憶しかありません。
この先いくつもいくつも展望スポットや写真スポットとなる場所にたどり着き、「あぁ、最初だったからあんなに人が多かったんだ」と気がつきました。
岩山黄山の巨石は桁違い!
山登りとは言っても、黄山は岩山。舗装されていないところは削って作った石段や石畳です。
それでも日本ではなかなかお目にかかることができないような大きな岩肌がむき出しで、松の木など生えてはいますが、岩の上に乗っかっているような生え方でした。自然の力を感じる場所でしたね。
岩を削って作らているため、「それ人通れるの!?」というような急な上り坂や細い道がたくさんあり、想像していた山登りのイメージとはかなりかけ離れた登山でした。
正直ここまで過酷だとは思ってもいませんでした。
登山の記念に鍵をかける
これ、日本でもよく観光地にありますよね!
一緒に黄山に登った友人4人の名前を掘り、鍵を展望スポットの柵にかけて、鍵は崖下に投げ捨てるというのがここでの暗黙のルールのようでした。
しかし柵にびっしり隙間もないほどにかけられている錠を見ると、投げられた鍵の数に山の自然が心配になってくるほどでした。
人口が多い中国、皆が同じことをすればその影響は計り知れませんよね。